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世相を斬る!(23)原子力規制庁の早期実現を

2012/3/23  臥龍 さん

オピニオン|世相を斬る
野田政権の目玉法案の一つされていた原子力安全改革法案の審議入りのメドが立たず、原子力規制庁の4月1日発足が絶望的になったと報じられました。
原子力規制庁の設置は、民主党政権のかねてからの懸案であり、それが難しいとなると、原子力政策見直しに対する民主党政権の熱意を疑わざるを得ません。

原子力規制庁の設置は、実は自民党政権時代からも度々議論されてきたのですが、そのたびに電力業界や財界の強い反対で、つぶされてきた経緯があります。
原子力規制に関する現在の行政体制は、経済産業省に設置されている原子力安全・保安院が一手に規制権限を握っています。一方で、同じ経済産業省の中にある資源エネルギー庁は、原子力を推進する組織です。つまり、経済産業省は一方の手で原子力推進の旗を振りながら、一方では、それにブレーキをかける役を演じているのです。明らかな矛盾といわざるを得ません。

原子力大国の米国では、通常の行政組織とは完全に分離・独立した形の原子力規制庁が設置されており、他の行政組織からの干渉を受けずに、原子力に対する安全規制政策を実施しているのです。
そうした米国のやり方にならって、日本でも独立した原子力規制庁を設置すべきだという意見が従来から強く出されていました。

自民党政権下で、それが実現できなかったというのも、電力業界を含め、原子力産業界は、日本では巨大な産業グループを形づくっており、大きな政治資金供給源であると同時に、票田でもあったわけです。
経済産業省にとっては、原子力産業界は美味しい天下り先となっていたわけです。そうした政・官・財の癒着が、原子力規制庁設置を阻み、原子力推進の土壌を形成していたといえるでしょう。

事実、原子力安全・保安院の人も、資源エネルギー庁の人も、いずれも経済産業省の役人として人事異動がなされ、ある時は推進役に、ある時はブレーキ役という役柄をこなしているのです。これでは、国民の立場に立った、原子力安全確保のお目付け役にはなれないでしょう。

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故も、遠因は、こうした原子力推進と規制とが混然とした行政組織にあると指摘する専門家もいます。原子力推進のために、安全面がおろそかになったというわけです。
民主党政権は、原点に立ち戻り、原子力安全改革法案の審議と、原子力規制庁の早期実現に向け、努力してもらいたいものです。

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