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『定年後をペットと共に』~獣医さんに伺いました~後篇

2011/11/3 

可愛いペットシニア世代のゆたかな精神生活に、ペットの力は大きいのではないでしょうか。
高齢になってからのペット飼育について ~獣医さんにお話を伺う~後篇です。
(※)⇒前編はこちら

前回に引き続き、神奈川県茅ケ崎市『シーサイドアニマルクリニック』院長成田先生にお話を伺いました。
シニア|ペット
前回は、シニア世代に向いているペットや、その注意点などを伺いましたが、今回は、実際に飼っている方の具体例を挙げて頂きました。
⇒シーサイドアニマルクリニックのホームページへ

=先生ご自身が医療現場で体験された、実際にペットを飼育されているシニア世代の方のエピソードなどを伺わせて下さい。=

動物の有無で人は変わってしまうんだなと思った例をお話しします。
まずは動物が先に亡くなってしまった例です。
以前はファッショナブルな格好でいつも病院にいらしていた方なのですが、ペットが亡くなって2~3カ月後に偶然お見受けしました。
表情も冴えず、公園のベンチでボーっとしているのを見かけたときはショックでした。

次は、逆の例です。
我が家の近くに住んでいる方なのですが、ことあるごとにうちの犬達の苦情を言われていました。
その方がひょんなことからワンちゃんを飼うことになり、それからは、文句など一切言わなくなったばかりか、最近は「犬友」に変わってしまいました(笑)その方は、私の病院にも来ていただいているのですが、昔の難しい表情からは想像できない明るい表情に変わり、楽しい方になっているのが印象的です。

人は動物によって変わってしまうんだなと実感した両極の例です。

= ほかにも 印象的なエピソードはありますか?=

飼い主さんが動物の将来を考えていないと感じた極端な例ですが・・・。
年金暮らしの高齢者の方の飼われているワンちゃんが、がんになり、治療には月4~5万が必要という話をしたときです。
「自分は年金暮らしだからお金をかけてあげられない。安楽死をして欲しい」という依頼をされました。
実際ワンちゃんはそのまま放置すれば激しい痛みになることが予測されましたので、最終的にそのワンちゃんを安楽死しました。
ところが、その方は1週間後に新しい猫を買ってきたのです。
そこのお宅には既に3頭の猫が飼われていました。
今後順々に飼っている動物が歳を取り、病気になっていくことを、この方はいったいどう考えているのだろうと思ったことがあります。
ペット

最後に、先生ご自身のことを少し伺わせて頂きました。

=先生は、病院で実験用だった犬を飼い始めたそうですが、どういった心境からだったのでしょうか=

私は大学時代に実験用のワンちゃんを5頭、実験のため最終的に安楽殺しています。その子たちの名札は今もとってあります。

現在では無駄に実験で犬を安楽殺することはありませんが、当時、自分が居た頃は行われていました。
学生だったこともあり、なぜこの子を安楽殺する必要があるのだろう? と疑問にも思いました。
実験に使っても安楽殺する必要がない犬のうち1頭ぐらいは自分が引きとって責任を持って世話をしたい(寿命を全うさせてやりたい)と思っている中、この子は私が世話をするのだと勝手にビビっときたのが、今家にいる子です。

=先生ご自身は何歳ぐらいまでペットと生きていくおつもりですか?=

できることなら自分が死ぬときは家族とペットに看取られたいと思っています。

=万が一、ペットだけ残された場合はどうされるのですか?=

そのときには私の動物病院が別の獣医師に継承され,彼らの中で楽しく飼ってもらえたらいいなあと思っています。

~取材を終えて~

今回のインタビューで印象に残ったのは「安楽殺」という言葉。
いろんな事情で飼えなくなるなど、飼い主側の都合のしわよせは、ペットに強いられる。
そのとき、選択肢のひとつに「安楽死」があることは否めないのかもしれない。
しかし、「安楽」という言葉に逃げ口の見つかる飼い主側に対して、その選択を受ける獣医師側は「安楽殺」という言葉を使う。
飼い主の選択を強制的に受けるペット、獣医師にとって「安楽死」という言葉は存在しないのではないかと考えさせられた。

シニア|ペット

~最後に~

ペットの最期まで責任をとる、というのは、最期まで自分が世話をするという意味だけでなく、自分がリタイアしたのち、ペットの行く末を決めていくことでも果たされるのではないだろうか。
幸い、高齢者の飼育に対して社会は好意的に変わってきている。

困った時、手を差し伸べてくれる団体も増え、まずは獣医師に相談すればなんとかなる環境だ。
先のことがわからないのは、生ある物全てにいえること。そこにこだわるのではなく、今どう生きていきたいかにこだわり、判断すべきではないだろうか。
皆さんはどうお考えになるのだろう・・・いつかご意見を伺いたいテーマである。

ライター 小柴直美

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