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世相を斬る!(37)跡を絶たないインサイダー取引

2012/6/29  臥龍 さん

オピニオン|世相を斬る
野村證券のインサイダー取引に続いて、今度は、SMBC日興証券でもインサイダー取引が表面化しました。
SMBC日興証券では、同社の元執行役員ら関係者が逮捕される事態に発展しています。
こうした相次ぐ証券業界のインサイダー取引は、コンプライアンス(法令・規則遵守)精神の欠如だけでなく、業界の体質そのものに原因があるのではないか、と思わざるを得ません。

SMBC証券は、今年4月にも銀行の公募増資の情報を公表前に営業現場に流し、新株の購入を特定の企業、個人などに勧誘しました。
こうした公募増資に関する情報の不正提供は、組織ぐるみの「増資インサイダー」といわれ、これまでも度々問題視されてきました。

今回逮捕されたSMBC日興証券の元執行役員は、組織ぐるみというより、個人的な関係で、インサイダー情報を関係者に流したと見られています。
流された情報は、企業のTOB(株式公開買い付け)に関する情報で、TOB公表後に株価が急騰し、情報入手者は、数百万円の利益を得たといわれます。
利益を得た情報入手者は、情報提供者である元執行役員とは以前から関係があり、過去の損失の穴埋めをした、と見られています。

インサイダー取引は、それが組織的なものであり、個人的なものであれ、情報の不正利用によって、特定の個人や企業が利益を得ることに変わりありません。
これは、明らかな犯罪行為であり、刑事罰の対象となっています。

証券会社は、企業における株式上場や増資、企業買収等に関する情報をいち早く入手できる立場にあり、それらの情報を社内の営業部門や外部に提供することは厳しく禁じられているはずです。
しかし、現在のインサイダー取引規制では、情報の提供者は自ら売買しない限り、罰則の対象とはならないのです。情報提供者が罰則を受けるのは、不正取引を相手にそそのかしたり、取引の利益の一部を受け取るといった場合に限られます。
しかし、これでは、形だけの規制であるといわれても仕方がありません。また、証券会社では、情報の入手部門と営業部門では、情報の隔壁が機能しているとされています。しかし、それも法的に担保されているわけではありません。

証券業界は、もともと、情報の取り扱いに関する甘い規制、その体質のもとで、利益をあげてきたともいえます。
インサイダー取引を根絶するため、罰則の強化はもちろん、業界の体質改善のため、金融庁などの規制当局には、徹底的にメスを入れてもらいたいものです。

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