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始まった親の介護(2) ~経験してわかること~    小田のん

2011/11/25 

親の介護
皆様こんにちは。
前回、シニア世代が抱えるであろう親の介護という問題について、子供世代の私の視点で見てきたことを報告させていただきました。 ⇒始まった親の介護(1)へ

さて今回は、前回から少し発展させて、「実際にやってみたこと」と、やってみて分かった「問題点・難しさ」についてご報告させていただきたいと思います。

■家の中の危険を回避するには■

同居をしている訳ではないので日常の様子はほとんど義母からの話を聞いて想像するだけだったのですが、食事についての心配を抱えた時に「これならできる!」と思ったのが、
・余分に作ったおかずを持って行く

ということでした。

高齢者二人だけの生活となると、食事は偏ったものになりがちです。
自分たちが食べやすいものや食べ慣れているものなどに限られてしまい、話を聞く限りでは「それでは栄養面に問題があるのでは」と思いました。

実際、入院した際には、医師から栄養面の指導、とりわけ鉄分が不足していることが挙げられたそうですが、私たち家族四人分の食事を少し多めに作り、両親の一食分くらいをもっていく、ということは比較的簡単なことでした。

そうして実家に足を運ぶようになって気付いたのが、
・家の中は危険がいっぱいである
危険な階段
ということです。

高齢者となると、
・夜中に頻繁にトイレに起きる
・足元が危ないので広い生活空間が必要
・部屋と部屋のちょっとした段差が危険

ということは容易に想像がつくかと思います。

しかしここで問題になるのが、
・一緒に生活をする義母は至って健康!

私たち子供から「危ないから部屋のレイアウトを変えよう」という提案をしても、義父にとっての危険性について緊迫感があまりなかったのです。

ずるずると危険な状態のままの生活を送り、夜中にトイレに起きた際に転ぶなど、身体のあちこちを打つことが頻繁になり、「骨折でもしたらそれこそ長期の入院生活!」の危険性を強く感じざるを得ませんでした。

■専門家からのアドバイスの効果■

しかし、定期的にデイサービスに通う義父、身体のあちこちが腫れたり痛がったりすることに専門家も危険を感じたのか、実家を訪問してくれた際に、部屋内の危険個所についてアドバイスをしてくれました。
介護|危険回避
・既に取り付けてある手摺を増やす
・ベッドをトイレに近い所に移動させる
・生活動線に物を置かないレイアウトに変える

など、義父の身体の状態を熟知しているからこそ、ベッドの向きまでも的確なアドバイスをいただけたお陰で、ようやく義母も現状の危険性を察知することができ、子供たちの協力を得て、部屋の大々的なレイアウト変更に至ったのです。

専門家のアドバイスは説得力があります。
身体の状態を熟知してくれているからこその信頼できるアドバイス。
これはいくら家族であっても、一緒に住んでいない子供たちからではあまり効果がないのかも知れませんね。

部屋のレイアウトを変えたことによって、
・動線の確保とともに手摺を増やすことができた
・就寝時の様子も分かりやすくなった
・義父が自力で移動できる空間ができた

というメリットがありますが、反対に、
・ベッドが近いため床に入りがちになる

という心配があります。
これは専門家も指摘していたことですが、普段頻繁に使用するトイレやテレビがベッドから近くなるということは、本人の生活動線を制限することにも繋がります。

危険を回避させるため、という目的を外れて、床に居た方があれもこれも近くなっては回復への道は遠のくばかり。

幸い義父の場合は、週に三日のデイサービスに加え、週二日の訪問リハビリといった福祉サービスを利用することが、生活のメリハリをつけるきっかけとなっています。

■ある日のエピソード■

ある夕方前、義母から1本の電話がありました。デイサービスからの連絡で、いつもと様子が違うので、すぐに病院へ連れていってほしい、とのこと。

義父がデイサービスから帰るのを待ち、すぐに病院へ診察に行くことになったのですが、私が見てもこれまでの足取りと格段に違う様子が伺えました。

杖をつけば何とか前に進み出ることができるはずの足が、その日はなぜか全く出ない。診察してもらうと何ら異常は見当たらず、その日の明け方にトイレに起きた際に転んでしまった打撲による痛みから、との結論に至ったわけですが、
・車の乗り降りもままならない
・体を支えてやる側(義母・私)が支え切ることができない
・足が出ない人を歩かせることができない

と、病院の出口から車の座席までも往生する私たちを見かね、男性職員さんが義父を抱えてくれ、ようやく車に乗せることができたほど。

「力のない女性にとって、介護は重労働である」ということを体感したことがありました。

その日の義父の状態は特別悪かったようで、やはり高齢ですから季節などによっても調子が違いますし、体調にも波があります。

波があるから仕方がない・・・で済ませることができるのは同居していないからこそなのです。
なぜなら、一緒に生活をしている唯一の人物・義母はこの時・・・
・今夜のトイレはどうするのか
・こんなつきっきりの生活は無理
・ベッドから動かれると困る

つまり、その時の状態に限って言えば「病院か施設に入ってもらうしかない」という思いしか巡っていなかったそうです。
親の介護
でも、ご安心ください(*^_^*)。
日々の調子に波があるとは言え、翌日からはまた現状復帰、自力で何とか動けています(*^_^*)。

しかしこの時の「力のない女性にとって、介護は重労働である」という重い体験は、私たち子供家族の、その後の義父との関わり方、さらには義母との関わり方を改めて考えざるを得ない出来事だったのです。
(続)

<シリーズ:始まった親の介護>
(1)義父の異変 / (2)経験してわかること / (3)自分ができる役割を担う

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