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世相を斬る!(33)嘆かわしい若者の安定志向

2012/6/1  臥龍 さん

オピニオン|世相を斬る
日本生産性本部が先ごろ、新入社員の意識アンケート調査結果をまとめましたが、それによると、「今の会社に一生勤めようと思っている」と答えた割合は、過去最高の60.1%に達しています。
長引く就職難と景気の低迷で、先行き不安感が強いことの表れのようです。
しかし、それにしても、“寄らば大樹”の安定志向がこれほど強いとは、いささか嘆かわしい思いです。
若者は、これからの日本の経済、社会を引っ張っていく機関車の役割を果たしていかなければなりません。
一生を現在の会社で安穏に暮らそうと考えても、その会社自体の明日はどうなるか分からないのが今の日本の実情です。

日本生産性本部の意識アンケート調査は、1990年から毎年実施されているもので、今年3月下旬~4月上旬にかけ、2089人から回答を得ました。
その中で、「一生現在の会社に勤める」という回答は、昨年春の調査より、5.7ポイント増え、最も低かった2000年調査から見ると、40ポイント近くも増えたようです。
また、回答の中で「きっかけ、チャンスがあれば、転職してもよい」と答えた割合は26.6%と過去最低となっています。
昨年に比べると、3.8ポイント減少し、2000年からは25ポイント近く減りました。

この調査では、2004年までは「転職してもよい」という答えは「現在の会社に一生勤める」を大幅に上回っていましたが、2006年にこの割合が逆転し、その差も開く傾向にあるといいます。
また、社内の出世より起業・独立を選ぶかどうかを聞くと、「企業・独立」を選ぶ回答は過去最低の12.5%となっています。

かつて日本経済を牽引してきたシニア世代は、こうした若者の安定志向をどうご覧になるでしょうか。
企業戦士といわれ、ひたすら仕事に打ち込んできたシニア世代以上の方々は、一生を同じ会社で安穏に暮らすことを考えてきたでしょうか。
もちろん、会社のためにと、額に汗した人も多いでしょうが、最初から同じ会社で一生を過ごそうと考えた人はそれほど多くはなかったでしょう。
会社の業績向上のために、あるいは、自分のスキル向上のために、より良い生活を求めて、チャンスがあればもっと大きな舞台で活躍したい、そんなチャレンジ精神の旺盛な人たちが多かったように思います。

現在の国内の景気は停滞が続き、雇用環境は厳しい情勢のあることは否めません。
しかし、こうした環境だからこそ、自分を磨き、会社の生き残りをかけて、与えられた部署でベストを尽くす。あるいは、チャンスがあれば新天地を切り開く、そうしたたくましさを求めるのは筆者だけでしょうか。

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