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クスリの話(5)・・・ジェネリック医薬品

2012/6/22 

クスリ

ジェネリック医薬品とは

ジェネリック医薬品という言葉をよく耳にするようになりました。日本語でいうと「後発医薬品」です。

最近にわかに注目されているジェネリック医薬品ですが、実はその歴史は古く、戦後すぐからジェネリックは出始めています。
ただ、その頃は「ゾロ品」と、やや軽侮を込めて呼ばれていました。
新薬の特許が切れてからゾロゾロと出てくるからそう呼ばれたのです。

クスリというのは特許で守られています。
特に効果の高い医療用医薬品は、成分を発見すると同時に特許を取得し、それから長い時間と経費をかけて製品化する努力が必要です。
有力な新薬だと10年300億円かかるといわれています。
とすれば、新薬になって特許が切れるまでに5~10年くらいしかない。
その間は独占的に販売して、開発費を回収できるわけです。
クスリ|後発
そして特許が切れると、その成分と同じ成分を使った医薬品がいろんなメーカーから次々と投入される。
だからゾロ品といっていたわけですが、基本的に開発費はゼロ(実際は数千万円かかります)。
開発費がかからないから、クスリの値段も安く設定できるわけです。

同じ効き目のものだったら、誰でも安い方を買いますよね。
実際、アメリカなどでは新薬の特許が切れてジェネリックが出たとたん、独占して販売していたメーカーの先発薬の売上げが8割減少したというケースもあります。
一気にジェネリック医薬品に取って代わられるのです。

日本ではそこまで過激ではなく、ジェネリック医薬品(ゾロ品)は軽視されていました。
同じ製品でありながら、信用性に欠けるとみられ、メーカーも次から次へと目先を変えて発売するものだから、安定供給もままならず、処方する医師は信頼性の高い先発薬を特許が切れた後でも指定し続けたのです。
もちろん、特許が切れたとはいえ、それまでの医師との強い関係をベースにした先発薬の営業力は、ジェネリックメーカーがなかなか対抗できるレベルではありませんでした。
定年後の生活|医師

ジェネリック医薬品のシェア拡大の動き

その風潮が変わってきたのは2000年代に入ってから。
国民医療費の高騰に悩む厚生労働省が、ジェネリック医薬品を薬剤費削減の決め手と位置づけて、強化政策を取りだしたのです。
クスリの値段が半分になれば、医療保険で支払う保険料も半分になるからです。

その過程でジェネリックという言葉が普及してきました。ゾロ品ではイメージが悪いですからね。
厚生労働省では2012年にジェネリック医薬品の市場シェアを30%まで持っていく方向で様々なジェネリック優遇策を打ち出してきました。
医師がジェネリック医薬品を処方すれば、保険点数を上乗せしたり、ジェネリック処方を医師に強く求めたりしてきましたが、現状ではまだ24%程度にすぎません。
あと1年で6%を上乗せするために、一段の強化策を打ち出してくるでしょう。

たとえば、薬局の調剤を促すための点数加算のさらなる強化や、先発薬の表記にジェネリックの有無を記載することとか、ジェネリック医薬品を使わない場合のペナルティ制度の導入なども考えられます。
それに先だって、厚生労働省ではジェネリック医薬品の薬価の引き下げも行います。
従来は先発薬の0・7掛けがジェネリック医薬品の薬価設定だったのですが、製品によっては0・6掛けにするというルールを設けました。
同じ成分のジェネリック医薬品が10品目出た場合という条件付きですが、これはすなわち売上げの大きな有望先発薬が対象ですから、引き下げの影響は大きなはずです。
シニア|ジェネリック
厚生労働省もメンツをかけてジェネリック医薬品拡大に邁進しているのです。
皆さんも病院で医師にクスリの処方箋を書いてもらうとき、ジェネリック医薬品にしてくれませんか、と聞いてみてください。
ジェネリック医薬品にすれば、クスリ代も相当安くなる共います。
特に、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のクスリは日常的に服用するものですから、「ジェネリック効果」は家計にも助かるはずです。

<特集 クスリの話>

(1)・・・医療用医薬品と大衆薬との違い / (2)・・・スイッチOTCについて

(3)・・・大衆薬の販売資格とネット販売 / (4)・・・認知症の治療薬

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(7)・・・ジェネリック医薬品(Ⅱ) / (8)・・・バファリン飲んだら、ふわふわ

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