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クスリの話(6)・・・脳梗塞の特効薬tPA

2012/7/31 

老後|クスリ

脳梗塞の特効薬tPA

患者数140万人で、年間8万人が死亡するといわれる脳梗塞は、年齢を重ねれば重ねるほど、また糖尿病など生活習慣病を抱えていればいるほど発生する危険の高い怖い病気です。

脳梗塞というのは血管の劣化などで脳の血管が詰まって血流が止まること。
4分間止まるとその部分の脳組織は壊死するといわれ、回復しても運動麻痺、感覚麻痺、言葉が出ない、片目が見えなくなるなどの様々な後遺症が残り、リハビリに長い時間がかかります。

血液というのは粘性を持つ液体だから、流れている間は何も問題はありませんが、流れなくなると粘りが出て時間が経つと固まってしまいます。
脳梗塞でそうなると回復は厳しい。
そうならないためには、血液の粘性を取り除き、いわばねばねば血液からさらさら血液にするクスリがあればいいわけで、実際、そういうクスリはあるのです。

それが2005年から保険適用された「tPA」(アルテプラーゼ)という血栓溶解剤で、脳梗塞の患者にこれを投与すれば、短時間で固まりつつあった血栓が溶けて血流が再開通され、ほとんど後遺症なく回復するといわれます。
それまでは安静にするしか手がなかったのが、tPAを使うことによってリハビリの必要もないくらい完全に治療できるようになったのです。

tPAは時間との勝負

脳梗塞の特効薬とも言えるクスリなのですが、しかし問題が一つあります。時間との戦いです。

発症してから3時間以内にtPAを投与しなければならないのです。
3時間をすぎると、強力な薬だけに患部ではない部分で血管が弱まっているところなどから新たに出血するなどの副作用が起こる可能性があって、収拾がつかなくなりかねないので、3時間と定められているのです。

3時間以内なら詰まった血栓を溶かして血流が出始めるため抜群の効力を発揮する。しかし、その3時間というのは発症してからの時間です。
老後|脳梗塞
頭が痛い、と救急車を呼んで、病院に行っても、その病院はCTやMRIなどの検査機器、血液検査装置などを備えていることが条件で、それによって医師がtPAの投与を決定するからです。
つまり検査に1時間かかる。ということは、発症した瞬間から2時間で検査機器を備えている大手の総合病院までたどり着かなければならないのです。
道路が渋滞していて救急車が動けないとか、病院が見つからない、病院までの距離が遠い、病院に着いても専門医がつかまらない、などの状況ではみすみす回復のチャンスを失う。
一分一秒を争うのです。時間との戦いというのはそういう意味です。

もっとも3時間ではあまり短く、救済のチャンスが少ないということで、欧米では投与時間を4時間半に延長するガイドラインの書き換えの動きが進んでいて、日本でもこれに殉じる方針を打ち出しているから、いずれ4時間半までは大丈夫、つまり発症後3時間半で病院に到着すれば間に合うことになると思います。

発症したかの認識が大切

ことほどさように脳梗塞は時間との戦いであるということで、つまり発症したかどうかを患者自身または周囲の家族がはっきり認識することが最優先課題だということです。

脳梗塞の最初の症状はいろいろな形で出てきます。
老後|脳梗塞
1.突然、ごく短時間手指がうごかなくなる
2.手足の力が抜ける
3.片方だけ手足がしびれる
4.歩けなくなる
5.薄い手袋をつけて触っている感じがする
6.言葉が一瞬出にくい
7.ろれつが廻らない
8.もうろうとする
9.片側の目が一時的に見えなくなる
10.ものが2つに見える
11.目がぐるぐる廻る
12.バランスがとれなくなる
13.ふらつく
14.いー、と言わせてみて、左右の顔の変形がないかを見る
15.両手を前に出して目をつぶるとしばらくして片手が下がるようなら異常
16.階段を踏み外す
17.急に身体が重くなったり疲れやすくなる
18.急にいびきをかく
19.人差し指で目の前30センチくらいの一点を押して、次に自分の鼻先を押す、左右の指でちゃんと押せなければ危険

などなどの症状が出てきたら、これは脳梗塞かもしれません。確信はなくてもとりあえず救急車を呼びましょう。

もう一度いいます。脳梗塞は1分1秒を争います。判断が5分遅れれば回復の可能性は5%下がる、10分遅れれば10%下がると考えてください。 

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